カメラはハイスペックが一番?

2019年12月7日

最近、家族でロケ地探索に行っていますがそのときにもっていくカメラとしてPENTAXのK100Dをお供にしています。このカメラ・・・

K100Dって10年前のカメラ

そう、いまから10年以上前の2006年発売のカメラ。
有効画素数 600万
連写枚数  6枚

これがK100Dのプロフィール

高校当時写真部だった筆者は多少なりともカメラに興味もあり、独身当時は離れていましたが結婚し子供が幼稚園にはいるのを契機に一眼をということでこのK100Dを買いました。

そのころ対象にしたものにCanonのEosがありましたが、なぜかエントリー機として興味がわかず、また値段も考慮しこの機種にしました。

現在では600万画素なんてトイカメラだってないよ
っていわれそうなクラシックなカメラですが、住めば都、付き合えばそこそこ愛着は沸くものです。

ただ、シャッター音はいまだになれませんね。
子供が小学生のころ、運動会ではこのカメラで1日で1400枚くらい撮っていましたがカウンター表示が999までしかなく、4GのSDカードでどれくらい撮れるかの最大枚数がわからずじまいです。

そんなK100D、最近ではほとんど出番がなく、30年以上前の高校当時に買ったカメラバックに忍ばせていました。

カメラはCanon AL-1

ちなみに、高校当時に使用していたカメラはCanon AL-1

実はこのカメラ、家が商売をしていてそのお客さんが毎年泊まりでキャンプに来ており、そのなかのひとりのおじさんと仲よくなって買ってもらった逸品でした。今でも覚えていますが、私が中学生くらいだったと思うけど

おじさん 「筆者くん。ほしいものなんかあるかい。」
筆者   「カメラがほしんだ、でも高いものだし・・・」
おじさん 「じゃあ、おじさんが買ってあげよう」
筆者   「ほんと、でもお悪いよ」
おじさん 「いいよ、来年また来る時に買ってきてあげるから」

正直、高価なものだし、社交辞令程度に自分も考えていましたが、翌年、ほんとうに買ってきてくれた。
しかも一眼レフ。カメラのカの字も知らない、中学生に・・・。 おじさんほんとうに感謝。

このカメラ、実は今のEOSの前身だったもので一眼レフ初、フォーカスエイドというピント合わせのアシスト機能を搭載したもの、ピント合わせはマニュアルですが、合うとファインダーに合照マークがでてピントが合うのがわかる仕組み。

Canon AL-1のプロフィール

その後数年して今のEOSが発売された非常に私にとって記憶に残る機種です。
今でもそれはありますが、電池蓋のフックがかけた(これはこの機種特有の症状だったようです)まましまってあります。捨てることは出来ない。貴重なカメラ。

今のデジタルカメラと違いフィルムカメラですからパシャパシャとるわけでもなく、必要なところを厳選して撮影したのを覚えています。
そういう意味では今は気楽に写真が撮れるいい時代になったものです。

そろそろ新しい機種が

前置きがずいぶんと長くなってしまいましたが・・・
そのK100Dも今年で10年。そろそろ新しい機種がと詮索を始めると、フラッグシップは高値の花。自分では役不足。じゃあちょっと落としてミドルシップ。

うう-ん。いいけど高い。中古なら手がでそうだが・・・
エントリー機でいいか。だってK100Dだってシーンモードしか使わず、TvやSvはちょっとしか使わない。
考えてみれば、K100Dを買った当時はコンパクトデジカメよりも一眼レフのほうが絶対画質が上という神話を信じていたため一眼レフを買ったに過ぎず、TvモードやSvモードを駆使して撮影なんてほとんどやっていなかった。

なぜかシーンモードのほうがマニュアルより良い写真が撮れると勘違い。

初心者のうちはマニュアルを使うよりシーンモードやオートモードを使ったほうが失敗しない写真が撮れるのは間違いない。

多分世の運動会撮影隊であるお父さんやお母さんのほとんどはこれだと思う。

だから一眼レフを持っていてもオートピクチャーモードのまま撮影とかよくてプログラムAEでの撮影程度しか使わない。

なぜなら、一生に一度の子供の運動会の撮影。マニュアルで失敗したらそれこさ家族崩壊の危機。

しかも、日曜カメラマンのお父さんにとってその日だけプロカメラマンになるのは絶対無理。写真を趣味としている人なら何の問題もないが、日ごろ滅多にカメラなど持たないお父さんが子供の運動会を撮るにはマニュアルは敷居が高すぎる。だから必然オートモードとなる。

それでもコンデジよりきれい。

でもそこはカメラメーカーがしのぎを削っているだけあってやはり一眼のほうが絵作りがいい。と思うのは筆者だけかな。

先日ユーチューブでプロカメラマンのポートレート写真っていうのを見ていたが、CANONのフラッグシップ機とF値の高いレンズで撮影された画像を見てちょっとカルチャーショック。やはりなにかが違う。単なる質感にとどまらない。正直すごい。

カメラ本体とレンズで150万以上。この写真を生み出すまでに必要な資金。
これだけかけないとこの写真が撮れないのか・・・

同じカメラマンが撮影したミドルシップのカメラでしかもレンズもミドルを使用、やっぱ前出の写真とまったく違う。平凡そのもの。こちらは総額20万円程度。

金額によって写真の質がでてしまうポートレート。

そう思いたくないが他のブログを読んでいてもそう見れてしまう。残念ながら・・・

金額に差が出ない山の風景写真

実はポートレートと違い、高級機でも極端な話コンデジでも差があまりでないのが山の風景写真。作例を見ていても何が違うんだ。と思いたくなるくらい変わらない。たしかに並べて比較すればわかるだろうが・・・。

同じ風景写真でも偽色がでるようなメッシュ系のものは高級機でないとやはり差がでる。神殿とか寺院なんて感じのもの。装飾がすごいやつ。

最近のデジカメ系はコンパクトもスマホもそうだが絵作りがうまい。

パッと見ではおそらく私みたいな素人には差がわからないと思う。
そう考えると機種にこだわる理由がなくなってくる。

では高級機とミドル機、エントリー機の違いって

最近ではミラーレスなんてものも出始めているが時代の流れなのか・・
一眼レフが今のところ全盛なためこれに限っていえば高級機は専用機ということ

高級機は何を撮るかを選別したそのための専用カメラとなってきているようです。
たとえばCanon EOS1DXは動体撮影に非常に優れており、野鳥撮影に向いたものとなっています。

野鳥や虫など俊敏に動くものに対し、レリーズタイムラグが大きいカメラやフォーカスが間に合わないカメラなどでは到底対応できない。

天体写真に特価したカメラ

またニコンのD810Aは天体写真に特価したカメラとなっておりそのための作りとなっている。
もちろんどの機種も基本機能はミドル機以上としているが・・・

ではミドル機はというと

連写撮影が得意な機種が多い。これは連写の速さと量に分けられるが、よく連写がはやいといわれるのは1/〇千秒の分母の部分が大きいことをいう。例えば、1/8000秒とか。

それに対し連写枚数というのがある。これはその連写速度で何枚連続で撮れるかということ。実はこっちのほうが大事なのだ。カメラにはバッファと呼ばれるメモリーが備わっている。このメモリーは当然外部メモリカードのアクセススピードよりかなり速い。最近のカメラではDDR3を使っているものも多く、最大アクセススピードは10GB/s(理論値)にも達する。

それに対しUHS(Ulta High Speed)のSDカードは最大でもせいぜい300MB/s(理論値)とそもそも桁が違う。そんな内部メモリー、いわゆるバッファの量がミドル機とエントリー機では違うのだ。そのため、撮影した画像が内部メモリの処理と外部カードへの書き込みのスピード差でシャッタースピードがスローダウンする。

そのスローダウンするまでの枚数の差がどのメーカーもエントリー機との差別化としている。
PENTAXで言えば、K-3Ⅱでは60枚、K-S2では30枚(ともにカタログ値、jpeg)となっており、差別化の対象となっている。

60枚と30枚というと倍程度かと思うかもしれないがこれがRAWだと23枚、9枚となり差が歴然となる。jpegの連写時間で考えると秒間5コマ(K-3Ⅱにはないが)で撮るとK-3Ⅱで12秒、K-S2は6秒程度。

子供がかけっこでよーいどん

子供がかけっこでよーいどんして。ゴールしない間にスローダウンしてしまう。
一番大事なゴールシーンが・・・
お父さんの家族からの信頼失墜・・・

なんてことも。だったらビデオで撮れよって話に

私のK100Dもよーいどんで走りだしてシャッターを切り出し走路の半分程度でスローダウン。

正直苛立つ。パシャッ、パシャッ、パシャッ、パシャッ、パシャッ、パシャッ、パシャッ、パーシャ、パーシャ、パーシャ、って感じ。

まあ、ペンタックスだけ独自というわけでもないだろうが他社よりエントリー機が上位機に食い込む機能として防滴。防塵というのがある。k-s2はエントリ―機の分野ですが、防塵・防滴を謳っている他社のエントリー機では見られない部分です。

ただ、これって滝のふもととかディズニーのサマーなんとかでしか使わない機能だと思うがあると安心できるのが不思議ですね。ただレンズも防滴・防塵でないとあまり意味がない。まあレンズはビニールカバーかければ多少はしのげるかなと。

防塵。防滴って

昔、秋葉だったと思うけど、防滴の実演をみてちょっとびっくり、自分的には防滴は家庭用防水程度と思っていたため、水道の水を蛇口から大量に流しその下にカメラを置いていたのをみてビックリ、ほとんど防水じゃんと思った記憶があります。

ペンタックス以外にエントリー機で防滴を謳っているメーカーはありません。もちろんコンデジになれば別ですが、キャノンにしてもEOSKissが防滴とは聞いたことはありません。ニコンもD3300とかD5300とかも同様だった。

そういう意味では地味に応援したくなるペンタックスですが、身売りしてすでに2回目かな。ちょっと心配。でも645Zといわれる名機もあり、この分野では断トツ、キャノンも出していないブローニー。最近ではフジが出しだしたようですが。

有効画素数が多いほど高画質?

これは、今に始まった話ではなくK100Dを買う前から議論はあった。最近のスマホは2000万画素突破な機種も結構あり、ExperiaXZなんて2300万画素もある。撮像素子の大きさに比しこれだけの密度を凝縮させる技術もすごいと感じるが・・。

かたやCanonのフラッグシップ機のEOS1DXMarkⅡの有効画素数はなんと2020万画素。

初代のEOS1DXなんて1810万画素しかない。ExperiaXZにも負けている。

まあこれだけ見ても既に画素数が写真のメインスペックではないことが明白。

天体望遠鏡でいう”倍率何百倍です” みたいなものかな。元来天体望遠鏡の性能は集光力と分解能。正直倍率は関係ない。倍率は対物レンズの焦点距離と接眼レンズの焦点距離できまるが、集光力と分解能は対物レンズ(反射望遠鏡は主鏡)の大きさで決まる。

これと似たことがカメラでも言える。有効画素数が多い方が画質が上ではなく撮像素子サイズの大きいほうが画質が上。だが最近のスマホの写真画質の向上を見ると素人目では上記理論が危ぶまれるような気がしてくる。

既にコンデジは画質でスマホに肩をならべらてしまった。APS-Cも技術の向上ではスマホに抜かれる可能性も否定できない。

所詮、カメラは絵造り

どんなカメラでも最後はメーカーの絵造りにかかっている。ExperiaXZのカタログでのポートレート写真などは、背景のぼかしも素人目には結構いけてる。(多少無理っぽいところもあるが・・)

さすがにEOS5Dとかと比べれば差は歴然だが、それでも満足いく画質に仕上がっているように素人目には見える。ぼかしも人工的だが、次のバージョンでは自然なぼかしがもっと進化しているのではないかと感じる。

総 評

色々書いて来たが、お題目の「カメラはハイスペックが一番?」って内容からちょっと外れてたような感じになってしまったような、(いやぜんぜん外れているよって・・・)。

ようは、ちょっと前まではスマホ、コンデジ、デジイチ(デジタル一眼)の差って結構あったのだと思います。

しかし技術の発達とともに、性能の底上げがされ最下位のスマホがコンデジを駆逐しやがてデジイチもとなる可能性も無きにしもあらずとなってきた。

もし近い将来スマホの画質がデジイチと肩を並べるような時代がきたら、デジイチもコンデジと同じ道を歩むことになりかねない。もしそうなったら重たいデジイチなんて誰も持ちたいとは思わないだろうから当然スマホってことになるだろう。

自分が持ちたいカメラって当然ハイスペックがいいに決まっている。だがそのハイスペックと自分の技量を天秤にかけた場合、本当にその性能を使いこなしているだろうか。

また、ハイスペックな機種ほど、目的を選ぶ傾向にあることは上記で書きました。基本なんでもそうですが、アイテムはその目的にあったものを使って初めてそのアイテムの機能を発揮することができる。カメラもしかり・・・

自分が求める目的、そこを見極めて機種を選ぶことこそ実は重要であると筆者は考えます。